脳・・。

↓の先生が面白そうだったので

http://d.hatena.ne.jp/arahata-kasu/20140326/p3

本を借りて読んでみました。
「脳と刀」という本(が図書館では一番読みやすそうだったので)
を借りてみました。

武道の極意と脳の働きを分析、研究されたものですが、
中には神秘体験時の脳の働きについても研究と記録をしている
みたいでした。


中でもちょっとびっくりしたのは、脳幹網様体という部分の働きです。
人間が体感してる(五感で感知してる)情報は、自分にとって都合の良い
情報だけを選択して情報を送ってるのだそうですが、本に載ってた
昔の実験の様子が・・。


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ベルクソンのイマージュ 

ベルクソンによれば、我々が主に視覚や触覚で認識している外界に存在する
様々な物体について、我々は決してそのありのままの姿を認識できているわけ
ではない。我々の精密な視覚認識をもってすれば、可視光線についての
網膜受容体分解機能の範囲で、さまざまな物体の姿をそのまま見ることが
できているはずだと考えるのは、盲信にすぎないのだ。


フランスの文化人類学者がマダガスカルで原住民の集落に入り込んで調査していた
所、たまたま沖に通りがかった戦艦を指さして教えようとしたが、どう説明しても
原住民は、そこに戦艦があることを認識しなかった。

最後に気付いた事は、原住民の目には何かが水平線の手前にあるとは映って
いなかった、即ち海と空しか見えていなかったということだった。


その文化人類学者はパリの同僚に手紙を書き、フランス海軍の協力を得て大がかりな
実験をすることになった。
何と、戦艦の側壁に巨大なバナナの絵を描いて、その島の沖を再び航海させる
というもの。予定どおりの日時にバナナを描いた戦艦が沖合に姿を見せたとき、
文化人類学者は黙って成りゆきを見守っていた。すると、どうだ。先回は戦艦を
見ることさえできていなかった原住民達が、一人また一人と海にバナナが浮かんで
いると叫び我先に沖に向かって泳ぎ始めた。戦艦ははるか沖の彼方を巡航している
ので原住民達がとうてい泳ぎ着くことはできない相談なのだが、原住民の目には
バナナが海に浮かんでいるとしか映っていないわけで、それがあの程度の大きさに
見えるということはほんの一泳ぎの距離に浮いていると理解して取りに行ったに
違いない。


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実験の様子が面白すぎるのと、実験結果に驚愕でした。


他にも、色の知覚についても昔の人は青と緑を「青」、赤も茶色も「朱色」と
してたくらいに、色の認識が少なかったというたとえ話もあり、なぜ緑なのに
青のりなのか、とかの謎も解けました。

自分に認知できるものしか知覚しない、というのは極端な感じにも聞こえるけど、
自分次第で映る世界が変わる、というのは実際にあり得るのかも知れないと
思いました。



また神秘体験時には、脳幹網様体の機能が停止して、個である、という認識が
なくなるのだそうです。

もともと人間は全体と一致しているという認識を持っているのに関わらず、
あえて個(孤独)である、という認識を後から植え付けたとしか思えないような
構造になってる気がします。









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